OLIVER DAWSON SAXON 初来日公演ライブレポート&フォト

LIVE SHOTS by Yuki Kuroyanagi
LIVE REPORT by Satoshi "Ace" Kudoh


OLIVER / DAWSON SAXON初の日本公演は期待を遥かに上回る非常に素晴らしいものだった。

IRON MAIDENと双璧をなすNEW WAVE OF BRITISH HEAVY METALシーンの立役者であるSAXON。その往年の名曲のみをプレイするというOLIVER / DAWSON SAXONの今回のショウのコンセプトは、デビュー当時からのファンにとっては間違いなく垂涎ものだろう。だが一歩間違えれば現在進行形ではないバンドのただのノスタルジアにしかならない。そうなればそんなショウに果たしてどれだけの価値があるのか・・・。

期待とともに一抹の不安を抱えながらZirco Tokyoに向かったのだが、そんなものはただの杞憂に過ぎなかったことをすぐさま思い知らされたのだった。

ダイハードなSAXONファンが待ち受ける会場のステージに立ったバンドはおよそ懐古主義などという言葉には無縁のように感じられるエネルギーに満ちており、ポジティヴなパワー漲る彼らが往年の名曲群が次々と繰り出す様子はNWOBHMの輝かしき全盛期を原体験しているかのような錯覚すら覚えたほどだ。

やはり目を引くのはグラハム・オリヴァー(Gt.)、スティーヴ・ドーソン(Ba.)と、彼らと同じくNWOBHM戦士であるブライ・ショーネッシー(Vo.)の三人だ。

グラハムの魅力はソリッドなメタル・リフメイキングと同時に身体に染み渡るようなブルーズ成分由来の旨味溢れるプレイだろう。特に序盤に披露された”Frozen Rainbow”での哀愁に満ちたギターは正に絶品。これこそが初期SAXONの味わい深さなのだということを再認識させられたが、スティーヴのベースが生み出すグルーヴ感もまた特筆すべきもので、カイル・ヒューズの叩き出すソリッドなドラミングに強烈にうねりを加え、バンドのリズムを牽引している姿が印象的だった。

オリジナルSAXON組の二人のプレイには感嘆することしきりではあるが、ブライのヴォーカル・パフォーマンスの強靭さがこのOLIVER / DAWSON SAXONのもう一つの肝であるのは疑いようもない。年齢を感じさせない、なんて言うのも野暮な話。むしろ瑞々しさすら感じさせる。所々でビフ・バイフォードを彷彿させる声質も彼らにとって強力な武器になっているは間違いない。

また、ギャヴ・コールソン(Gt.)もオリジナルに敬意を払ったギタープレイに加えコーラスも担当し、歴戦の三人の影には隠れがちながらもしっかりバンドに貢献している。時折フラッシーなソロを織り込んで自己主張も忘れないのが微笑ましくもあった。

オープニングとなった”Rock N’ Roll Gypsy”からファンからの熱烈なリアクションを受けたバンドのパフォーマンスは最後を飾る”And The Bands Played On”まで一貫して素晴らしく、ステージを去る際のブライの満足感に溢れた表情で発せられた「また来年も来るからな!」という言葉には、バンドから応援してくれたファンへと向けた深い感謝の念が確かに感じられたのだった。

OLIVER / DAWSON SAXON Setlist

1, Rock N’ Roll Gypsy
2, Strong Arm Of The Law
3, Frozen Rainbow
4, Denim & Leather
5, Hungry Years
6, Dallas 1PM
7, Eagle Has Landed
8, Crusader
9, 747 (Stranger In The Night)
10, Princess Of The Night
11, Motorcycle Man
12, Wheel Of Steel

~Encore~
13, Power & Glory
14, And The Bands Played On


ミート & グリート



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